第2章 非日常よこんにちは

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1 自分の職場である学校へと向かう道すがら桐島は嘆いていた。 「何故空はこんなに青いんだ」 空を見上げ、溜息のように吐き出された声は桐島の口にあるマスクに覆い被さられて周りには聞こえない。 先日の大失恋によりとんでもない傷心の桐島の気持ちとは裏腹にまるで小春日和な陽気。 何だか神様に馬鹿にされているようにさえ思え鬱々となる。 12月の久々な小春日和の中、桐島と言えば先日着ていたコートではなくぶ厚めのダッフルコートにマフラーをグルグル巻きにして手袋にマスクと完全防備をしていた。 「っくしゅん! 」 「っ、学生だったら休めたのに...」 イガイガする喉を不快に思いながら、己の体調不良の原因である昨夜の事を思い出す。
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