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真っ暗闇の教室の中。群生するように存在する机たちの隙間で笹川と桐島は座っていた。
闇に慣れた目でチラリと隣の桐島を確認すれば、体育座りで両膝を抱えている。
握ったカッターシャツは少しはみ出しており、拳一つ分の隙間を空けて桐島が座っているのだ。
笹川は相変わらず勃起している下半身と胸の奥に感じる熱さが笹川の体を支配している。
収まらない熱は段々と笹川の体力と冷静さを失わせる。
それでも己の熱に負けぬよう、カッターシャツを握り締め歯を食いしばった。
隣にいる桐島の動く気配を感じ顔を上げると、笹川の収まらない下半身を見つめる桐島。
「...な、なに? 」
その視線に胡乱げな目をして問いかける。
視線を下にしたまま、口にする桐島。
「あの....僕...その...手ならできます」
間違えてなければ顔が少しばかり赤くみえる。
「はっ? 」
「いやっ...その..ソレが収まらないから困ってるんですよね...く、口とかはちょっとできませんが...」
桐島の小さな手が笹川の盛り上がったその部分に触れようとする。
「まっ、まった...」
カッターシャツを握り締めていた手を離し、桐島の手を握る。
「でも、ソレをどうにかしないと...このままってわけにも...」
『じゃないと、帰れないでしょう』と聞こえた気がした。
握った手と反対の手が伸びてきて、己の股間に触れられると『終わり』が一気に現実味を帯びてきて咄嗟に桐島の体を突き飛ばす。
「っ....笹川くん? 」
近くの机にぶつかった桐島が腕をさすりながらこちらを見る。
「だっ、だったら...今日はもういいから」
「...? 」
笹川の言葉が理解できないのか目を丸くする桐島。
「そっ、その代わり...明日最後にもう一度先生とシたい」
「えっ? 」
「....それで終わりにするから」
首の皮一枚繋がった気持ちだった。
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