0人が本棚に入れています
本棚に追加
別れ際になると妙にさみしかったことを思い出す。
・・・さみしさのワケはわかっている。
「じゃあまたね・・・」
あなたはそう云うといつもあっけなく暮れゆく街を後にした。
あっけないワケもわかっている。だから胸の奥がただ辛い。
そしてあの日もやっぱりそうだったね。
淡々と何事もなかったようにいつもの調子で「またね」って云ったけど・・・
もう「また」逢うことは二度となかった。
はっきりと頭の中でふたつに枝わかれした道を想像した。
「またね」じゃなくて本当に「さよなら」。
「好奇心」という言葉がある。
はじまりはそうだったけど、おわりは決してそうじゃなかった。
時間とともにほろ苦く切ない想いがパズルになって私の手から放たれていく。
「またね・・・」もう逢えないけど。
最初のコメントを投稿しよう!