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「ここには、久々に来たの。
中学時代ぶりかな?」
「あっ、偶然だな。俺もそれ位ぶり。」
七瀬は店内をキョロキョロ見回してる。
へぇ、久しぶりなんだ。
七瀬は高校卒業して、地元を離れてたのは何となく察しがついた。
「変わってるとこもあるし、変わってないとこもあるね。」
「そうだな。」
それは、この店もだし、この街も、人も、そうだ。
そう言えば、今さっき琴絵に会ったような事を言ってたな。
「琴絵は?
変わってんの?
ていうか仲良かったけ?」
「あ、うん。
幼馴染みなの。
小学校から一緒だったし、高校も一緒。
中学は三年の時クラスが一緒だっただけで、
あの時は琴絵とは少し距離をおいてたから………。
むしろ、大和君の方が、同じグループだったよね?」
「まぁ……ね。」
多分、その時の事を思い出しているのだろう、
遠い目をした、七瀬と俺。
思い出はやっぱりモノクロ。
俺と七瀬の接点も中学三年の一年間だけだ。
ただのクラスメート。
ただ、そんだけ。
七瀬が琴絵と小学の頃から幼馴染みで、仲が良かったって知らなかったし。
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