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記憶はモノクロだが、
中学の頃の光景が蘇る。
まだ、単純で無垢だった中学生時代の自分。
ゲラゲラ笑いながら友人、数人らと歩いたこの商店街。
「おう、大和よるか?」
「だなぁ、腹減ったしなぁ」
「俺も行く!」「俺も!!」「俺もー」
なんて、ダチと肩を組んで闊歩したのはもう十数年前のことだ。
あーー、
無いかもな、あの店。
ほーんとボロかったから。
ちょっとだけ、記憶のモノクロから色が付いてくる。
油が染み込んだ茶色の壁。
たしかシミすぎて隅っこは黒かったっけ?
品書きとか、メッチャ古くて破けてて、
ちゃんと読めねーの。
床はコンクリだっはず。
ちょこちょこ破けてた赤い丸椅子。
でも、鉄板だけはメッチャピカピカできれいだった。
まだ、あるんだろうか?
あって欲しいって言う小ちゃいと言いつつも大きな希望。
この路地を曲がればあの小汚い………
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