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親衛訓練団
魔族親衛訓練団――
威厳に満ち溢れたその名は、既に幼い頃から何度も耳にしている。遠くからではあるが、実際に建物の一部を見たことだってある。しかしこれほど間近で目にしたのはエイブラットにとって生まれて初めてのことだった。迫力がまるで違う。
「……すごい」
堂々たる威容を誇る鉄門に圧倒されて、エイブラットは呟きを漏らした。
この堅牢な壁を越えた先に待ち受けているのだ。手に執るは剣、胸に秘めるは魔族の誇り――エイブラットが幼い頃から父の背に憧れ、夢を見続けた輝かしい世界。
これからエイブラットは、一人の武人として厳しい修練に臨むのだ。それを想像するだけで身体が震え、抑えきれないほどの高揚感に叫びそうになる。これでやっと長年の『理想』を形にすることができるのだと。
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