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助けを呼ぶことはおろか、逃げることもままならない。もし下手なことをして、彼らの気を損ねでもしたら――それこそ殺される。
手違いで子供一人を殺めてしまったところで、彼らは何とも思わないだろう。また新たに子供を攫ってくればいいだけの話なのだから。
無駄なのだ。
どう足掻いたところで助からない。
少年が諦めて目を閉じかけた…そのとき。
斬閃が薄闇を切り裂いた。
そこから先は、あまり憶えていない。
こちらを見下ろしていた彼らが血相を変え、険しい顔になった気がする……
そうして一斉に洞窟の入口へと目を向けて、腰に携えた短剣を抜いた気がする。
何が起ころうとしているのか、それすら判然としないまま――少年は小さな身体を更に縮こまらせ、強く目を閉じた。せめて自分の身だけは守ろうという半ば無意識の行動であった。
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