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「グラントさん。帰っちゃうんですかー」
さみし気な声で、グラントのチェックアウトを見守るのは、サヤだ。
「手下がいなくなってご不満かな、サヤ?」
「手下だなんて、まあ、お手伝いいただいて助かってたのは本当ですけど」
不満げに頬を膨らませながら、グラントを上目遣いにみる。
「私は、さみしいですって言ってるんです」
「わかってるよ、サヤ。ありがとう」
サヤの栗色の髪に手を載せて、グラントはほほ笑んだ。
「グラント様。またのお越しをお待ちしておりますわ」
クレアが、優雅な微笑みを浮かべてグラントを送り出す。
「ああ、また寄らせてもらうよ。なにしろここは、この世で一番魅力的な島だからね」
ぱちりと、ウィンクを投げて、グラントは歩き出した。
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