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「さて、ここでもう一つ、君に知らせなくてはならないことがある」
グラントは、雰囲気を変えるように、少し声を張った。
「エドの日記が、最近盗まれてね。宝石だのなんだののついでに、大切に保管されていたのが、持っていかれてしまったんだ。彼の日記には、この島のことも、ブルームーンフィッシュのこともかかれていたようだね」
ふう、とグラントは、大きく息をついた。
「その日記を見たものが、魚たちを捕まえて、鱗を奪ったんですね?」
「そういうことだろうね」
「昨日私が聞いた悲鳴、魚たちのものだったのかも。このままでは、ブルームーンフィッシュは狙われ続けることになってしまう。それに、この島のことも。。。」
青ざめてうなだれるクレアに、グラントは、手をすり合わせて明るい声を出した。
「では、こちらも反撃といこう。私の特技が役に立ちそうだからね」
顔をあげたクレアに、グラントは片目をつぶって見せる。
「問題は、敵をどこかに誘い込まなくてはならないんだよなぁ」
「それは、洞窟みたいなところでもいいですか?」
「ああ、心当たりがあるのかい?」
「ええ。私の特技が役に立ちそうです」
クレアは、にっこりとほほ笑んだ。
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