出会い

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「もうすぐ母の三回忌なんです。『煉瓦亭』に料理を頼んで家で食事会をすることにしたんですが先生方もいらしていただけますか」  あの日からもうそんなにたつのか。  母の葬儀が終わって間もない頃だ。真っ赤に泣きはらした目をした友世が、ぐったりした子犬を抱いて病院にやって来た日のことを、佐藤は昨日のことのように覚えている。 「まあ、煉瓦亭なんて、嬉しいわ。喜んで参加させていただきます。お父さんによろしく」  初榮が嬉しそうに言った。
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