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運命?
何で?
「何か、シンさんから運命って言葉が出てくるとは思わなかったです」
私が笑うと、シンさんも微笑む。
「俺は、そう言うの信じるんだ」
「意外ですね」
「今回だけは特別信じてるんだけどな」
「え、何でですか?」
「……秘密」
運転するシンさんの綺麗な横顔。
私のどの辺に運命を感じているのか聞きたかったけど、あの日、誠二に別れを告げた事、シンさんと、こんな風に出掛けるまでに色々あった事、私もそう言われれば運命と言うか、偶然が必然にも思えた。
もともと、あんまり大らかとは言えない私。
考え過ぎてしまう方。
特に最近は情緒不安定だったから
自分で自分に負担かけてたなって分かってたけど…
今はシンさんがそばにいて、シンさんの言葉に、安心してる自分。
深く悩んだりしてた割には単純だな私。
せっかくお出かけしてるんだ。
今は余計な事考えずに楽しもう。
だけどーーー
シンさんが言う
「運命」と言う言葉に
そんなにも深い意味があるとは、私は全然気がつかずにいた。
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