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しばらくして。
料理が次々運ばれてくる。
どれもこれも美味しくて私は楽しくなっていた。
お酒の力もあり、気分がすごくいい。
チューハイも2杯目の半分まで飲んだ。
「城木さん、すみません。私、ちょっとお手洗いに行ってきます」
「どーぞ、行ってらっしゃい」
手をヒラヒラさせて城木さんは私を見送った。
私が部屋の障子を閉めた時、城木さんの携帯が鳴っているのが聞こえた。
「もしもし…」
私は城木さんの電話の邪魔にもならないし、トイレはちょうど良かったと思いつつ、ちょっとフワフワしたいい気分を味わいながら、トイレに向かった。
***
「城木さん、お待たせしました」
トイレから戻ってきて、私は笑顔で障子を開ける。
だけど、そこには城木さんの姿がない。
城木さんも、トイレかなぁ。
私は座って、お酒をひと口飲んでから、お刺身を口に入れた。
「うん…おいし」
城木さんて、良い人だしイケメンだし面白い。
これは、女子社員がほっとかないのもホント分かるわ。
私はそう思いつつ、美味しい料理に夢中になっていた。
その時、障子がスゥッと開き城木さんが入ってきた。
「おかえりなさーい。
…っ!! んぐっ…」
顔を上げ驚いた。
城木さんの後ろに高畑さんが立っていたからだ。
私は料理を喉に詰まらせた。
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