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「高畑さんが良ろしければ」 城木さんも そう言いつつ、気分転換にと連れてきた私を気にしているように見えた。 勿論、口には出さなかったけど。 私は「気にしないで」という感じで、分かりやすい笑顔を城木さんにサインとして送る。 「いや、2人の邪魔になるし」 「あっ、今日は何て言うかその…単なる遊びで」 高畑さんの言葉に城木さんは口ごもる。 私の事情を勝手に話してはまずいと思ったのだろう。 「彼と別れた私を励ましてくれる為に呑んでるだけなんで良かったら」 私もそう付け足した。 高畑さんは「…じゃ、お言葉に甘えて」と座る。 高畑さんは、私をチラリと見ると「お気の毒にね」とニヤリと笑った。 「高畑さんー、今の顔ホントにそう思ってないでしょ?葛城さんが可哀想ですよ」 城木さんの言葉に私は頷く。 「いやいや、本音です」 そう言ってても高畑さんはイジワルな微笑みを浮かべている。 昼間も思ったけど、ホントこの人よく分からない。 「高畑さん、お酒なにします?」 私はメニューを口を尖らせたまま渡した。 「じゃ、ビール」 「畏まりました」 私は障子を開け、ちょうど廊下を通った店員さんに、ビールの追加をお願いした。
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