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今日って…トイレでの出来事?
あの時のドキドキをまた思い出す。
「そうだ、指。火傷は?見せてみて」
「私も忘れてたくらいですから大丈夫ですよ」
私は自分で一度指を確かめてから右手を差し出した。
高畑さんは私の手を取り「…大丈夫そうだな」
と言うと、私の手をそのまま軽く自分の方へ引っ張った。
「わっ…」
私は簡単にバランスを崩し、畳に倒れそうになった。
何とか先にテーブルに左手をつき、前のめりになる前にストップをかける。
高畑さんは、そのまま私の後頭部に自分の手を添えると頬にチュとキスをした。
あまりの早い出来事に、何が起こっているのか分からない。
「……た、高畑さん?酔っ払ってるんですか?」
「酔っ払ってないよ。あ、ちょっと酔ってるかな」
高畑さんの綺麗で不敵な微笑み。
お酒のせいではなく、どんどん顔が熱くなっていく。心臓が耳の奥にある気がするくらいドキドキ言ってる。
「もう1回していい?」
私は力一杯左右に首を振った。
「ダダダメです。ダメですっ!!何で……」
恥ずかしくて声が震えてる。
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