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「何でって…もっと近くで顔を見たいから」
「た、高畑さん! 城木さんももう戻ってきますし、離れてください」
私の顔スレスレで話してくる高畑さん。
焦る。
「じゃ、城木くんがいなければ、キスしてもいい?」
「えっ?」
私は顔を上げると高畑さんはニヤリと笑い、私から離れた。
ちょうど、その時、城木さんが、明るい顔で「お酒足りてますか~」なんて言いながら入ってくる。
席についた城木さんは、「もう一杯どうですか?」と高畑さんに勧めながらメニューを渡した。
そのあと、私にも勧めようと思ったみたいだけど、私の顔を見て、アハッと笑った。
「葛城さん顔真っ赤だよ?飲みすぎたんじゃないの?」
私は慌てて、ほっぺたを触る。
「や、やだなぁ。私酔っ払ったのかな」
あははと愛想笑い。
「俺が口説いたら真っ赤になったんだ」
「な!高畑さんっ」
私は焦って彼に叫んだ。
何食わぬ顔でビールを飲んでいる。
「そうなの?僕お邪魔だったかなー」
なんて、城木さんは高畑さんのイジワルに気付いていないみたいだ。
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