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あれから更に1時間程して緊張感のある飲み会は終了した。
と言うか、緊張しているのは私だけ…
「今日はありがとうございました。私はまだ電車があるので、駅に向かいます」
店の外に出た私は、2人に頭をペコリと下げた。
「じゃあ、駅まで送るね」
城木さんが笑顔で言ってくれたから、お言葉に甘えようしたけれど…
高畑さんが私の肩を叩いた。
「葛城さん、最寄り駅は○○駅だったよな?
俺もそっちの方向に行くから一緒のタクシーに乗っていけばいい」
いや、それは困る。絶対困る。
「いえっ。そんなご迷惑かけれません。電車で帰れますのでお気遣いなく!」
私は真顔で高畑さんの申し出をお断りする。
だけど。
今度は城木さんが親指をビッと立てた。
「いやいや、葛城さん! 乗せて貰いなよ? 夜道は危ないしさ、ね?」
……城木さん、高畑さんが危ないんです。
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