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誠司がここまで来るのに大体15~20分。
高畑さん、ほんとにどうするつもりだろ…。
寒いし。
「せいじって呼んでたんだな」
「え?」
「元カレ」
「…そうです」
それが何なの?
「葛城さんは、まだホントは別れたくないんじゃない?」
「え…」
「何か迷ってる」
「え?」
私は頬を触った。
それを見て高畑さんがフッと笑った。私はどう言う表情をしたらいいのか分からなくなって、下を向く。
「…キライじゃないんです。だけど、きっと元サヤになっても、また彼の浮気の繰り返しって分かってるんです。やっと昨日その繰り返しを終わりにしたから」
「そうか…」
誠司、高畑さんがいることに、なんて言うのかな?
まじまじと彼の顔を見ていると高畑さんが私を見た。
「そういやさ、俺の名前…さっき教えたけど覚えてる?」
高畑さんの思いがけない質問。
「えっ?
あっ、覚えてますよ。て、言うかお会いした時から知ってますよお。高畑 真さん」
高畑さんは、一瞬悲しそうな顔をした。
いや、そう見えただけ?
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