6779人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺の事、シンって呼んでよ」
呼んでよって…なになに。
「何言ってんですか。…呼びにくいですよ…」
「何で?」
へ?何でって、何で?
何で急にそんな事言われなきゃならないの。
「だって…お客様だし、年上だし、今まで高畑さんって呼んでたんですよ?いきなりそんな、うっ!」
高畑さんは、私の顔を両手で挟んで上を向かせる。
「呼んで」
「呼んでって、それは、め、命令ですか?」
「……」
高畑さんは頬から手を離して、私を再び抱き寄せる。
「ちょ…!」
「命令じゃない。" お願い "だよ」
ギュウッと力を込められ、高畑さんの力強い体に包まれる。
「…呼んで欲しいんだけど」
返事に困っていると、耳元で高畑さんの低くて甘い声で囁かれる。
高畑さんの空気に頬が熱くなった。
視線が交わると、高畑さんの顔が近づく。
お酒のせいなのかな…?
高畑さんとどうなってもいいやって思ってる。
後で、きっと後悔するのに。
最初のコメントを投稿しよう!