6780人が本棚に入れています
本棚に追加
高畑さんと唇が軽く触れる。
「ん…」
しまった…変な声出ちゃった。
何か…うまく力が入らない。
高畑さんが私の腰を自分に引きつける。
「俺も、…美優って呼んでいい?」
次は耳に唇を触れさせながら、質問してくる。
「…は、…」
私は高畑さんの質問に何とか返事をするけど、体がどんどん熱くなってくる。
恥ずかしい。
こんな事ダメだと思うのに、頭も体も全然うまく働かなかった。
高畑さんは、私を
もう一度ギュッと抱きしめる。
高畑さん、何で、私…?
高畑さんは、やっと私を離した。だけど、相変わらず距離は近かったけど…
「高畑さ…」
「シンだって」
「あ…そうだった。えと、シ、シンさん」
「さんは余計だな」
「無理ですよ。いきなり呼び捨てなんて」
「俺なんかすぐに呼べるけど。美優って」
そんな、ドヤ顔されても。
「なんか、立場が違いますよ、立場が」
「俺がいいって言ってるのに?」
「だって…」
そんな言い合いしている間に誠司が向こうの方からやって来た。
アパートの階段を上がりかけて、私たちに気づき、数秒動きが止まった。
それから、こちらに向かって歩いて来る。
「あれか」
シンさんはニヤリと笑ってロングコートの襟元を軽く引っ張り整えた。
最初のコメントを投稿しよう!