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誠司は、こちら側に歩いてくる最中、私を見る事もなく高畑さんをずっと見ていた。
そして、私の目の前に来てやっと誠司と目が合った。
「美優、この人は?」
「会社のお客様よ」
「何で、そんな人がここにいるの?」
「…誠司に、関係ないよ」
「美優、お前、別れる理由を俺のせいにして本当はコイツと?」
「違うよ」
「じゃあ何だよ!」
あれだけ好き勝手しといて。
誠司は今更、一体何を私に求めているのか分からない。
同じアパートの人が誠司の大きな声に1度窓を開けて、こっちの様子を伺った。
すぐに窓は閉まったけれど、近所迷惑になっちゃう。
早く帰って貰わないと。
「おい」
高畑さんが口を開く。
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