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「そ、う、なんですか、私なんかを…」
こんな素敵な男性が私なんかを好きだった?
「俺が美優を好きなの迷惑かな?」
「そ、そんな事ありませんっ!
ただ…シンさんみたいな素敵な男性が私なんかを…って思うと信じられなくて」
「美優は俺の事はあんまり好きじゃない?」
「えっ」
「俺の事」
「す、きですよ…」
いや、彼氏と別れたばっかりの女が、もう好きだとか言うのどう思うかな。
「ならいいじゃないか。私なんかって言うな」
「そんな簡単じゃないです。だって私は…」
うまく話せなくなる。
ショッピングモールに近づいてくると、土曜日だし、さすがに車も渋滞してくる。
私達の車もノロノロと渋滞の列に並んだ。
「だって…。
彼と別れたばっかりで、それなのにこうしてシンさんと遊びに来てる自分が何か軽い女みたいで、自己嫌悪なんです。最低な女だって。
こんな最低な女なのに…何でシンさん、私の事、好きって言ってくれて…」
私の声がどんどん小さくなる。
「ずっとこの間から考えてたんですけど、シンさんと会うとそんな自分が気になって」
「俺はそうは思ってない。
美優とこうして一緒にいれるのは嬉しいし、実は運命だと思ってる」
「運命…?」
シンさんを見ると
少し微笑みながら前を向いていた。
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