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「シンさん…今、私の事、面白がっているでしょう…」
私は眉を寄せたまま文句を言う。
「バレたか。ハハハッ」
「っ…!」
今日2度目の笑い顔。
こんな笑顔で笑われたら許してしまう。
反則の笑顔だよ。
こんな時間ずっと続けばいいな。
時間が止まればいいな。
***
体が温まった私達はカフェを出て、再び歩き始めた。
前から歩いてきた高校生らしき女の子達がシンさんに気がついてチラチラ、シンさんを見て話してる。
あの男の人、カッコいいとか絶対言ってる。
シンさんは自分であるが何か言われてるなんて気づいてないし、気にもしていない様子で歩き続けてて……
私は何となくうつむいてシンさんの横を歩く。
彼女達が通り過ぎる瞬間。
「連れてる女は普通じゃね?」
!!
聞こえたよ!?
そんな時に限って良く聞こえるこの耳にショックを隠せない。
私は、フラフラ近くの壁に頭からぶつかって、うなだれた。
やっぱり……あなた達もそう思うよね…
私、シンさんの横に並ぶのに普通過ぎなんだよ。
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