好き

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真っ暗ではないけれど、かなり暗いオレンジ色の景色。 ショッピングモールを囲む並木道や植木、お店の看板などの綺麗なイルミネーションが灯り始めた。 「わぁ、綺麗ですね。クリスマスみたい」 勿論クリスマスはとっくに過ぎ、今は1月だけど華やかな雰囲気と、恋人達が景色に見とれながら歩く姿はクリスマスそのものだ。 「そろそろ行く?」 シンさんは丘の上の観覧車を指差して私にたずねた。 「そうですね!」 私達は、なだらかな広い階段をゆっくりゆっくり散歩するように登り始める。 冷たい風がビュウッと吹いて、私は向かい風を避けるように身を固くして少し頭を下げる。 「寒い?」 「大丈夫です。でも風、強いですね」 シンさんは私の肩に手を回し自分の方に引き寄せる。 シンさんを見上げると「俺が寒いから」と、私をギュッと自分に押し付け微笑んだ。
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