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「茉央、この後昼飯行かない?」
夏休み、
午前授業を終えた蒸し暑い昼時、
ミンミンゼミが元気よく鳴いてる中、
スクールバッグを肩にかけた幼馴染みが私に声をかける。
「ごめん海斗!これから塾の夏期講習だからさ!」
そう告げると私は颯爽と走る。塾への道のりを。
勉強が早くしたいわけじゃない。
こんな晴れてる日に勉強なんて、気乗りしない。
じゃあなんでこんなに走っていたかって?
塾の玄関の扉を勢いよく開ける。
高身長の、若い男性がこちらを見る。
「茉央さん、こんにちは。」
汗だくな私は元気よく挨拶を返す。
私はこの人に会いたくて、こんなに走ってきたのだ。
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