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咲ちゃんが両手いっぱいに持ってきたのは真央へのクリスマスプレゼントだった。
「真央さん、メリークリスマス」
「わあ!ありがとう!」
「蒼井さん、メリークリスマス」
「僕に?」
真央にはテディベア。
僕にはポケットから取り出した小さなボックス。
中を開けると琥珀のネクタイピンが輝いていた。
「真央さんに聞いたの。琥珀は幸福の石だって」
幸福の石。
黄金色に輝く小さな。だけど思いの詰まった石。
顔を赤く染めた咲ちゃんが笑った。
「あ、りがとう」
恋とは違うかもしれない。
咲ちゃんの隣にいるのは僕じゃないかもしれない。
それを知ってても。
今は―――
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