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街はクリスマス一色。
あちこちから聞こえる鈴の音とクリスマスソング、木々には色鮮やかなイルミネーション。
「咲ちゃん、クリスマスなんだけどパーティーどうかな?」
「え?」
「真央が咲ちゃんに来てほしいって言ってるんだけど」
「真央さんが?」
「他に用事があるなら無理にとは言わないけど。執事くんも一緒によかったら」
真央がクリスマスを楽しみにしている。咲ちゃんが来てくれれば真央が喜ぶ。
咲ちゃんはふたつ返事でOKしてくれた。
「♪」
「玲哉さま、何か良いことでもあったのですか?」
車の中で書類を捲っていると達也が助手席でクスクス笑った。
「ん、まあね。ちょっとね」
「意中の彼女でも落としましたか?」
「彼女?」
「駒沢家のお嬢様ですよ」
「ああ、彼女はそんなんじゃないよ」
僕は恋なんかしない。
父のようにはなりたくない。
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