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「おや、咲さまを気にいっていたと思っておりましたが」
「気にいってはいるよ。あ、達也、会社戻る前に真央にクリスマスプレゼントを選ぶから付き合ってくれないかな?」
妹の好みはウルサイ。
僕が選んだものは「お兄様はセンスがないわ」と苦笑いする。
車をジュエリーショップ前に停め扉を開くと店のオーナーが出迎えてくれた。
「蒼井さま、いらっしゃいませ。本日はクリスマスプレゼントをお買い求めですか?」
「うん。妹へのプレゼントにね」
ひとつ奥の部屋へと通される。
店に出してある商品とは別にオーナーが手掛けたデザインのジュエリーが開いたジェラルミンケースの中に並んでいた。
達也のセンスで真央の好きなピアスを選び、ふと、ジェラルミンケースの一番外れに小さめだが淡い桜色のダイヤが光っているのが見えた。
「これは?」
「ピンクダイヤのネックレスです。小ぶりですが上質の代物ですよ」
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