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断られればどんな女性かと興味が湧いて製薬会社に取引きに行ってみた。
会社ではこなしきれない仕事を山ほど抱えても弱音のひとつも吐かずに夜遅くまでフロアから出てこない。
取引にかこつけて食事でも誘おうと思っても彼女はいつも遅くならないと出てこなかった。
「へえ、なかなかやるね」
「お兄様はあのチンケな女のどこがよろしいのかしら」
「あれ、真央。いたの?」
「お兄様が最近面白い女をみつけたみたいだって達也が言ってたからどんな女か見にきたの」
「達也が?ホントにそう言ったの?」
「うそよ。達也はそんなふうには言わないわ。玲哉様が最近愉しそうにされてましたので恋でもされているのかもしれませんよ。ですって」
「……恋ねえ。一度はしてみたいって思ってはいるんだけどね」
恋はたぶん無理なんだ。
将来は旧華族の姫君と婚約して家のために犠牲になる。
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