『若恋』君がいないクリスマス

6/32
前へ
/34ページ
次へ
「玲哉、それって恋ってやつなんじゃねえのか?」 大神組若頭補佐の仁が鼻で笑った。 日本の経済界は大きな会社の裏はヤクザが支えてる。 蒼井家も同様で大神物産、大神組と同じように裏の世界によって支えられている。 「奏、おまえはどう思う?」 「あ?ああ。……恋かもな」 ぼんやり外を眺めてる若頭の奏はいつものキレがない。 「どうしたのかな?天下の大神組若頭の奏くんは?」 「若はこの間、龍神会の鉄砲玉に襲われました」 「それで、ケガでもしたの?」 「いえ、ケガはありませんでした。」 「だってさ。よかったね、ケガなくて」 大神組の若頭を仕留めようとするなんて度胸ある。 どうせ、すぐ報復して潰したんだろ? 「で、なんでこんなふうなの?」 「若を庇ってケガをした娘のことを心配してるんでしょう」 「一般人?」 「女子高生です」 「……ふーん」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

245人が本棚に入れています
本棚に追加