Act.1 

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ビリヤード台の前に倒れている死体の他に動く気配がないか、チームは十分に警戒しながら、リビングの中に足を進めていく。 その時、 ――シュッ―― 微かな音と共にビリヤード台の背後から、煙がふきあがるのを見た。 続いて何かがポンと飛び出してくる。 それは、『ポテトマッシャー』とも呼ばれる柄つきの手榴弾。 古典的な武器だ。 リーダーは一瞬でそれを視認すると、銃を構え、 「下がれ!」 メンバーに警告しながら発砲する。 そしてリーダーの優秀な射撃は、投げられた手榴弾の柄に確実に命中した。 手榴弾はまたクルクルと回転しながら、ビリヤード台の後ろに戻っていく。 「――伏せろ!」 次に来るはずの大爆発に備え、リーダーは後方に飛び退きながら床に伏せる。 「爆発するぞ!」 ヘルメットが吹き飛ばないように、鼓膜が破れないように、耳を強く押さえた。
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