Act.1 

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さて侵入者たちにとって今回はひとり暮らしの住居だが、高級マンションの部屋数は呆れるほどに多い。 玄関ホールを入ったところからは、リビングに抜けられるドアと、ゲストルームに続く廊下が見えている。 ターゲットの部屋は、正面のリビングダイニングを抜けて、ビリヤード台が置いてある遊技場を越えての一番奥のはずなのだが、家主がその夜、自宅のどこで休むかまでの正確な情報は与えられていない。 たまたま気分を変えてゲストルームにいた、なんてことは、現場ではまま起こりうることだ。 だから侵入者たちは、すべてのドアの向こうの安全確認をしてからでないと、前に進もうとはしない。
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