Act.1 

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鉄板入りブーツの一蹴りで、ドアは枠ごと外れて向こう側に倒れた。 破壊された壁の残骸を靴の裏に感じながら、一行は室内へと足を踏み入れる。 リビングに続くドアも穴だらけだ。 そしてターゲットがいるのは、この先。 たとえ先程の一斉射撃で相手が肉片だけなっていたとしても、証拠のひとつも持ち帰らなければならない。 リビングに続く形だけのドアを開けて見れば、横倒しになったビリヤード台に人影がもたれかかっているのが見えた。 床に足を投げ出して座っている。 ガウンを着た男で、そして全身が血まみれだった。 右手には最期のあがきか、一丁の拳銃を握ったままだ。 だがもう力なく、首を深くうなだれている。 ピクリとも動かない。 だがリーダーは腕をあげ、男の腹に2発の銃弾を撃ち込んだ。 男の身体はそのたびにビクンビクンと魚のように跳ねて、やがてズルリと床に横たわる。 すでに息はなかったようだが、死体になりすまして反撃のチャンスを狙っている、ということもあり得る。 今回のミッションのユニットリーダーは、実に慎重で臆病な男だ。
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