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大学へ向かう時に必ず使う駅がある。
無人駅だけど、改札の前にある休憩室がとても心地よい。田舎の駅の為かほとんど使っている人を見たことがない。ここは僕だけの秘密の場所みたいで気に入っていた。
そんなある日、僕より先に休憩室にいる人を見つけた。まあたまには他の人もいるだろう。いつものように電車が来るまで休憩室で時間を潰すために扉を開く。とても静かなその場所に扉の開く音だけが響き渡る。その音に反応して彼女は驚いたような顔でこちらを見た。気の利いた言葉をかけようにも何も出てこない。彼女は困ったような顔で僕に微笑む。僕もそれにつられて微笑む。休憩室はとてものんびりと時間が過ぎていくような気がした。
これは僕と彼女のたった3日のお話。
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