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意を決して僕は彼女に声をかけた。
「僕も、その作者好きなんですよ」
その言葉を聞いて、パァッ!と音がしそうな笑顔を浮かべてこちらを見る彼女。よかった。彼女も好きなんだ。そんな安心感が僕を包み込んだ。
「ほら、僕の今読んでいるのも」
そう言って読んでいる本を渡すと、嬉しそうにページをめくっていく。
そしてカバンからメモ帳を取り出して、何かを書いている。今僕が渡した本は昨日発売したばかりのやつだ。タイトルでもメモしているのだろう。そう思っていた。
コーヒーを開けて乾いた喉に流し込む。
その時、肩を叩かれた。
彼女の方を向くとメモ帳に、
「私もこの作者大好きなんです!でもなかなか共感してくれる人いなくて、あなたが初めてです!本当に嬉しいです!」
と書いてあった。
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