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渋谷穂寿美と義弟の渋谷克己は早い夕食を焼き肉屋で済ませ、
エネルギーを蓄えて穂寿美のマンションに戻った。
そこは福島第一原子力発電所事故で避難し、仮住まいとして借りている場所だ。
穂寿美の夫の渋谷隆弘は克己の実の兄で、廃炉に携わっているために単身赴任状態。
家に戻るのは週末だけだ。
事故によって住まいも仕事も、ある意味では夫も奪われた穂寿美は
補償金で気ままに暮らしている。
そんな生活を母親は自堕落と非難するが、
壊れた生活と倫理観を、簡単に取り戻せるものでもなかった。
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