煩累

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街灯とまばらに付いているマンションからの灯りと戸建てから漏れる灯り。 時々、車が脇を通り過ぎるときに聞こえるタイヤがアスファルトを擦る音 歩く人影はない。 葉沼の人差し指と中指が俺の小指に絡まれゆっくりと歩く 少し酔って向けられる視線が潤んでいて絡められた腕を自分の脇につけて、葉沼の体ごと引き寄せた。 突然引き寄せられた葉沼の肩が俺にぶつかり潤んだ瞳のまま上目遣いで睨まれる。 「ほら、ちゃんと歩かないと転ぶよ?」 「もぉっ、江藤さんが引っ張るから…」 からかい混じりの言葉に少し離された肩が軽くぶつけられ今度は俺がバランスを崩した。 「ちゃんと歩かないと転びますよ?」 首を傾げからかわれる 「ははっそうだな」 顔を上に向けて星の見えない夜空を笑って見上げた。
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