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朝…
「江藤さん…」
セットしてある目覚ましより早めに起こされる。
薄く目を開け時間を確認するとまだ30分以上余裕があった。胸元で揺する手を探り引きずり込もうとしたところで
「もぉっ、江藤さん。ふざけてないで起きてください」
掴んでいる手は解放してやらない。
「ん…起きる…葉沼のキスで…」
「!?…てっ」
掴んでいた左の甲に軽い痛みが走るのと同時に
「いい加減にしてください!起こしませんよ?今日、会議があるから早く出るって言ってたじゃないですか」
「…………あっ」
枕元のスマホで時間を確認する
「葉沼、サンキュ…なんで顔赤いの?」
知りませんと背中を向けドアを開けたところで捕まえる。
振り向きざまに顔を覗き込み唇を掠めた。
さっきより更に顔を火照らす葉沼が可愛い
ぷっ…軽く吹き出した俺を睨みつけ、押しのけて先に部屋を出ていく小さな後ろ姿に顔が緩んだ。
──離したくねーな…
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