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僕は自分の携帯電話に、千代さんの番号とメールアドレスを登録し、そのまま待ち受け画面を見つめ続けた。
僕には、千代さんと初めて会ったっていう記憶がない。
僕等の家が近所で、親同士の交流があり、同い年で誕生日も近いせいか、僕等は物心着く前からお互いを知っていた。
そして僕等は同じ幼稚園に通い、同じ小学校に通い、同じ中学に入学した。
仲は良かったと思う。
と言うか、活発な彼女が、内気な僕を引っ張ってくれていた。
そうすることで僕達の関係は成り立っていた。
だけど、中学校を卒業してから、僕達は顔を合わせていない。
気付くと、時計の針は午後十時を回っていた。
これ以上遅くなると、電話しても迷惑になるな。
じゃあ今日連絡するのはやめようかな。
でも、今日出来ないと、多分明日も出来ない。
電話じゃなくてもいいんだ。
メールなら、それ程気負わなくてもいい。
だけど、僕は文章書くの苦手だし。
駄目だ駄目だ。
こうやっていつも決断出来ないから、僕はチャンスを逃すんだ。
すぐにこれからの行動を決めよう。
電話する。
メールする。
今日は連絡しない。
選択肢はたった三つじゃないか。
この中から選ぶだけ。
さあ選ぶぞ。
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