KETUI イチョウの木の下で

2/10
前へ
/10ページ
次へ
 「げっ……あああああぁ」  トイレから 小さな悲鳴をあげてしまった。  「どうしたの、みちよさん。何かあったの。」  私の声にびっくりした義母が、声をかけてきた。  「あ、お義母さん、何もないです。ちょっとすべり装備なって。」  「気をつけてね。 あなたいつも注意散漫だから。」  「はい。」  トイレの外にいる義母は、たぶんため息をついているだろう。どんくさい、行動がのろいといつも言っている。  私 そんなのろくないんだけど…… ただ お義母さんのやり方でしようとすると、うまくいかないだけで……  私も、はぁとため息をつきながら、便器にすわりながら、手に持った妊娠検査薬をみつめていた。  三人目か どうしよう…...。  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加