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「その事件なら知ってます。丁度僕ともう少しで担当してたんです」
刑事の一人が言った。
「それなら話が早いですね。その子の名前覚えてますか?」
秋さんがその刑事に聞き返した。
「た、確かですねぇ。・・・・・・、そ、そうですね。」
刑事があわふてていると、もう一人の刑事が言った。
「何を慌ててるんだ。早く言ってくれ。」
「それが奇妙なんですよ。この秋さんと全く同じ名前なんですよ。誘拐された時の少女の歳
と、10をたすと秋さんの歳、21歳になるんですよ。」
それを聞いて、秋さんはニヤッと笑って言った。
「まあ正解ですね。」
「も、もしかして。・・・あ、秋さん。」
刑事の一人が怖い物を見たように秋さんを見た。
「はい。あの事件で誘拐された少女とは実は私なんですよ。元々警部の娘だったので、ある
程度捕まったら逃げる方法などは少しは教えてもらっていましたからね。」
「じゃ、じゃあなぜ帰って来なかったんですか?」
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