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警察は辺りを見回し、社長室机の横の壁を指で差し言った。
「犯人はここの社長をあの壁に追いやり、殺したと思われます。容疑者は今の所、社長室前警
備の今井和木さん、牧浦秋さん。それと社長の秘書、槇田伊
穂。その3人に絞られます。一人ずつ、事件があったとされる時間
に何をしていたのか聞きましょう。」
「あ、あの。」
秋さんが、控えめに何かを聞こうとした。
「何か質問でも。」
警察が答えると、秋さんは語りだした。
「私は思うのですが、この遺体の横にボールペンが落ちているのは不自然だと思います。何
かをやろうとしている様に私は思うのですが。」
すると警察も答えた。
「多分この社長は、死ぬ前に机で何かを書いていました。その証拠に机の上にまだ途中しか
かけていません。つまり、まだ書けていないところを犯人は襲い、その時にボールペンを落
とした。としか言いようがありません。」
そこにまた秋さんが付け込んできた。
「しかしその場合は、ボールペンは社長の前に落ちているはずです。しかし何故かしら社長
の後ろに落ちています。社長がもし落としたとしても、後ろに落ちるのはまたしても不自然です。」
そこで警察もあっ、と気が付いてきたようだ。
「確かにそうですね。」
その他の人達は警察と秋さんのやり取りを、唖然と見ていた。
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