序章-2 あなたを待っていた。

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アークスシップロビーフロア 「ここはそんなに変わらないわね。」 リリーは安堵するように呟く。 「そんなに変わったらあたしらの方がビックリよ。リリー。」 「え?」 リリーの独り言を突っ込みが入り、リリーは驚いて後ろを振り向く。 「ヤッホー。リリー。元気にしてた?ってコールドスリープしてたからおはようかな?」 一人で突っ込んで一人でボケるマギアセイヴァーを纏うこの女性はエコー。 リリーがアークスに入隊当初からお節介を焼く一人だ。 「エコーさん。元気にしてましたか?」 「あたしは元気よ。」 エコーは笑いながらリリーに近づく。 そして・・・リリーの双胸を揉む。 「ひゃっ!エコーさん!一体何処を触っているんですか!」 リリーはエコーの魔の手から逃れて両手で胸を隠す。 「いや~。相変わらず良い触りごごちしているわね~」 「自分の胸を揉んで下さい。」 リリーはエコーを睨みながら呟く。 「いやいや。自分の胸を揉んだら変態でしょう。」 「人の胸を揉んでも変態ですよ・・・」 リリーは脱力してエコーと向き合う。 「そう言えば、エコーさん。今日は愛しのゼノさんと一緒じゃないですか?」 「な。な。な。何を言っているのよ!ゼノとはそんなんじゃ無いって!」 リリーの反撃にエコーは顔を紅くして抵抗する。 (相変わらず可愛いのぉ~) リリーはそんなことを思いながらエコーを宥めた。 「全く。リリーは容赦無いな。」 エコーはリリーを睨みながら呟く。 「にはぁ。エコーさんもいい加減自分の気持ちに素直になった方が良いですよ。」 「言うわね・・・」 エコーの睨みをかわしながらリリーはドリンクを渡す。 「はぁ。素直にねぇ~それが出来れば苦労しないわよ。」 エコーはため息を吐きながら呟く。 「でも、気持ちを伝えないとわからない事もありますよ。エコーさん。」 「わかっているんだけどね。素直に慣れないって言うか・・・近くにいるからなのか」 エコーはリリーからドリンクを受け取りながら呟く。 リリーはそんなエコーの横顔を覗き込む。 「まぁ。なんとかなるでしょう!あたしとゼノだし!」 そう言ってエコーは立ち上がる。 「だから、リリー。応援してよね。」 エコーはリリーに向けて笑った。
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