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「キャァァァーッ!!」
突然!!
ノリコが声にならない悲鳴をあげた!!!
『…グラグラグラグラ…』
急に!
辺りが激しく揺れ始めたのだ!
それは、もう相当に激しい揺れ!
こんな経験…
生まれて初めて!!
超大型地震!!
「ノリコさん!大丈夫っ?!」
タマオは激しく動揺ながらも、ノリコを気遣った!
「私は、何とか大丈夫!
タマオ君も気をつけて!!」
「ああ!もちろん!こんな所で死んでたまるか!」
そうだ!
僕達は、こんな所で死ぬワケにはいかないんだ!
二人で、平和な世の中を…この目で、見るまでは!!
ノリコもタマオも、渾身の力を込めて必死に壁にへばり付き、激しい揺れに全身で耐えた!
と…
やがて…
『ピタリ』
と、今までの激しい揺れが…突然、嘘の様に収まった。
「ふう…。
何とか、収まったみたいだね…」
「そうね……」
二人とも、ホッと安堵の溜息をつくと、その場にへなへなと座り込んだ。
と…その時である。
「ああっ!タマオ君!あれ見てよ!」
不意にノリコが頭上を見上げた!
「…え?」
タマオもノリコに習って頭上を見上げる。
すると…
「ああーっ!!」
タマオは、心の底から驚いた!!
今まで…
ずっと固く閉ざされていた…
部屋の天井が…
恐らく、
今の大地震の激しい揺れのおかげなのだろう…。
ぽっかりと大きな穴が開いて!
ほんのりと優しげな光が
二人が座り込んでいる部屋の中に差し込んで来ていたのだ!!
「タマオ君!!」
ノリコが歓喜に満ちた様子でタマオを見た!
「うん!!」
タマオも、それに応える!
「これで…
外に出れるぞっ!!!」
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