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ところで…
ジイサンの話は続く。
「いや、実はな。
こないだ、ワシが病院内を散歩しとったらな…。
白衣の職員がたくさんの小さな子供らを引き連れて廊下を歩いとったんじゃよ。で、よっく見てみると…その子ら、皆、ボケーッと虚ろな目をしておった…」
「はぁ…そうなんですか…」
「ワシは…こう思うんじゃよ!実は、この病院内のどこかで超能力の研究が密かに行われているんじゃないかとな!
あの子らは、恐らく超能力を持った子らじゃ!この病院内のどこかに有る研究施設に閉じ込められて、超能力研究の実験材料にされとるに違いないわ!」
「………」
俺は、呆れまくった。
おいおい。
何とかしてくれよ。
恐らく、その子供達って
ただ単に小児病棟の入院患者達だろ。
「今の話…あんまり他の人には、しない方が良いですよ」
俺は、ジイサンをたしなめた。
こんな話、誰が信じるだろうか…。
せいぜい、ジイサンが狂人扱いされるのがオチだ。
「もちろんじゃとも!
こんな話をこの病院の人間にしたら、秘密を知ったワシやアンタまでもが『消されて』しまうからの!」
と…
ジイサンは、良い方に勘違いしてくれた。
まあ、もっとも…
『超能力者の人間兵器化』の話に関しては、
俺も以前、たまたま興味本位で読んだオカルト系の雑誌でちょっと目にした事が有るには有るが、
本当かどうかは、マユツバだな…。
「でな…」
と…
疲れを知らないジイサンの話は、まだまだ続いた。
「アンタ…。
『巨人の研究』って知っとるか?
何でも、別のある国じゃあ、人間の遺伝子を操作して人工的に巨人を作り出し軍隊化する研究をしとるそうじゃぞ!
あと、『地面を人工的に液状化』…地面をふわふわどろどろとした液状化状態にして敵国の交通機能を完全に麻痺させる研究…。
あとな…。
人体に有害な『灰』を上空から散布して敵国を壊滅状態にする研究なんかをしとる機関も有るらしいぞ!『灰』というからには、辺り一面、真っ白になるんじゃろうな」
俺は…
ジイサンの話を
「ハイハイ」と、シンボウ強く聞き流し続けた。
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