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「タイムカプセルは、彼女のほうから話してくれました。僕はその、今の状態の唯に、何を言っていいかわからなくって」
途切れ途切れに話す言葉を、医者は黙って頷いて聞いた。この人は、もう何人もこうしてイージーの患者やその家族と接してきたのだろう。こんな時に僕はどうすればいいのか、聞いてみたい。でも、それは違う気がした。答えは僕が出すんだ。それしかない。
だって、イージーの患者がどれくらいいようとも、僕の恋人の唯はたった一人なのだから。
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