悲運の目覚め

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ん??職場から?! 何だろ? バタバタ部屋に戻り電話に出る。 「はい!おはようございます、朝倉です!」 息切れしているのを悟られないように淡々と話した。 電話の向こうは職場の店長だった。 「あ、朝倉さん?朝からごめんね。実は先日の棚卸の差異があまりにも多くて合わなくてさ。本社からの連絡でもう一度行ってくれってことで、今日しないといけなくなったんだよね。だから本格的には閉店後からするから帰り凄い遅くなると思うんだ。朝倉さん早番で入ってたけど、ラストまででその後ってなるとかなり長くなっちゃうからあれだったら遅番で出てきてもらえるかな?」 今日は店長も休みのはずだったのに出勤になるんだ。どおりでなんかイライラ口調なはずだ。 またあのありえないくらいめんどくさい作業。 考えただけで逃げたくなる。 「そうなんですね。わかりました!遅番で出勤しますね!」 流石に上司の手前そんな思いを言えるわけもなく明るく振る舞った。 「ごめんね。よろしく。じゃまた店で。」 後ろから駅のホームの音が聞こえてたから店長バタバタ出勤してるのかな? 大変だろうなぁ。私なんかバイトだからそんな責任感じなくてもいいし、とりあえず言われるままにやっとけばいいもんね。 まぁこれでとりあえずバタバタ用意して行く必要なくなったし、ラッキーかな。 棚卸めっちゃめんどいけど。 もう一度ベッドに横たわりながら昨日寝落ちしてしまってからのLINEとかをチェックする。 あ、コウに返してなかった!もう仕事始まってるなーー。 【コウおはょぉ!昨日完全に寝落ちしちゃってた!ごめんょーーっ。。 私今日早番が遅番なったーー!棚卸やり直しって。泣 コウも今日もお仕事頑張ってねっ!】 これでよしっと! コウ、清里コウは結菜の彼氏で、高校の時からの付き合いだ。歳は同じで、同じく高校卒業後、就職。個人経営の家電屋に勤めている。 もうすぐ付き合いだして4年。記念日は一泊二日で近くの温泉に旅行計画を立てている。 彼の温厚な性格のせいかほとんど喧嘩もすることない日々だがたまには怒ってほしいなって思うこともある。贅沢な悩みだろうか。 そんなことを考えながらまたウトウトしていた。
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