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だからって、普通いきなり足払いで床ドンしませんよね、普通は。
「この床なら頭打ったって、死にませんよ」
そういう問題じゃない!
「全く。受け身取れない奴なら、脳震盪もんですって」
ぶつぶつ。
あーぶつぶつ。
「キスしたい」
勝手にどうぞ。
「何すねてるの?」
別に。
「僕はこんなに浮かれてるのに、君は楽しくないんだね」
そうじゃなくて!
あーもう。
「忘れてらっしゃるようですが、先生結構目立つんですよ。特に女性には恋愛小説バカ売れのイケメン作家として知名度も高い。シングル二つならともかく、キングダブルって。変な噂でも立ったら」
「いいんじゃない?むしろ嬉しい。僕という存在が知られれば君に悪い虫つかなくなる」
「だから!」
その先は告げられない。
なぜならば。文字通り口封じにあってるからだよ!
朦朧として来るのはセンセのテクか、それとも早朝からの移動で疲れてるからか。
両肩を押さえ込んでいた先生の手が、腕を伝って手を握り込んで来る。手の平を重ねれば熱い。
「いつもながら冷たい手してる、誠」
涎引きながらエロい目を向けて言う台詞がそれかよ。
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