1章 事の始まり

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―ガチャッ… キレのいいドアの開く音が響き一歩玄関に入ると部屋を見渡した。 …外観だけでも凄かったけれども、中も凄い。 最新式の家具から話題の床暖房やら何やらの機能が搭載されている… 自分の住んでいた世界とまるで違っているってこの部屋1つで思い知らされた。 …やっぱり逃げようっ 私じゃ住む世界が違い過ぎていて相手だって嫌になるに決まっているっ 逃げるなら今の内しかないっ… けれども、私が逃げたら夕美はどうなるの?? 逃げかけていた足がすくむ 私 高瀬真珠【たかせまみ】が此所に居るのは… 奥の部屋からガチャッと部屋のドアが開いた音がしてビクッとまたしても驚き跳ね上がった。 ―家主が来るっっ!? 思わずクルッと後ろを向いてギュッと瞳を硬く瞑った まるで小さな子供が悪さをして親にバレて叱られるのを怯えている様に身体を縮めて肩が震えた… その震える肩から背中ににフワッと抱き締められた。 耳元から小さく、そして優しく真珠と囁かれた。
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