17人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「由里子さん、またご飯食べてないの?もー。こんな時間なのに電気も点けないで何してるのよ」
合鍵を使って部屋に入って来たのは、事件があったアパートに引っ越してから仲良くなった佐藤という女性だ。
離婚して仕事で忙しくなった由里子に代わって、時々愛の面倒を見たりと、お世話になった人だった。
「食べなきゃ駄目よ、こんなに痩せて。愛ちゃんも今のあなたを見たら心配するわよ」
そう言いながら、冷めた食事をレンジで温めに台所へ行った。
「・・・でしょ?」
「んー?何ー?」
由里子がボソリと呟いた言葉に、台所から佐藤は聞き返す。
「あんたなんでしょ?愛を殺したの」
「何言ってんのよ?!」
佐藤は由里子の言葉に、声を荒げる。
「愛が留守番の時に鍵を開ける相手なんて、あんたくらいしか居ないじゃない」
由里子は無表情に真っ直ぐ見つめる。
佐藤は突然、レンジから取り出した料理を由里子に投げ付けた。
最初のコメントを投稿しよう!