憎しみ

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「由里子さん、またご飯食べてないの?もー。こんな時間なのに電気も点けないで何してるのよ」 合鍵を使って部屋に入って来たのは、事件があったアパートに引っ越してから仲良くなった佐藤という女性だ。 離婚して仕事で忙しくなった由里子に代わって、時々愛の面倒を見たりと、お世話になった人だった。 「食べなきゃ駄目よ、こんなに痩せて。愛ちゃんも今のあなたを見たら心配するわよ」 そう言いながら、冷めた食事をレンジで温めに台所へ行った。 「・・・でしょ?」 「んー?何ー?」 由里子がボソリと呟いた言葉に、台所から佐藤は聞き返す。 「あんたなんでしょ?愛を殺したの」 「何言ってんのよ?!」 佐藤は由里子の言葉に、声を荒げる。 「愛が留守番の時に鍵を開ける相手なんて、あんたくらいしか居ないじゃない」 由里子は無表情に真っ直ぐ見つめる。 佐藤は突然、レンジから取り出した料理を由里子に投げ付けた。
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