ロリコン探偵と恋する人魚姫

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示談金は依頼者の保護者に話を付けてあるので、報酬として満額こちらに入る。示談が成立してしまえば法的に問題は無い(凪さん談)。保護者自体からも料金を取れば何かとトラブルも起きる可能性も有るが、保護者からは全く料金を取らないので保護者側から問題になる事もまず無い。親からすれば慈善事業のような物である。 こうやって収入を得ているが、中にはまったく収入の無い仕事もあった。 それは極たまに有る特別な仕事だ。 「ヤッちんお金が入るから、今日は鍋かすき焼き食べたいね。作れる?」 「ネットで調べれば出来るでしょう」 「凄いね、ヤッちんなんでも出来るね。このまま、スーパー寄って帰ろう」 帰りの車の中で今夜の夕飯の話をしていると、凪さんのスマホが鳴った。 「ん? なんだよ。せっかく夕飯の話をしてんのに」 運転しながら電話を受ける凪さんの顔色が変わる。 どうやら報酬の無い特別な仕事の依頼のようだ。 電話を切ると凪さんが言う 「ヤッちんゴメン。また面倒くさい仕事だわ。すき焼きも鍋もお預けだよ」 やはり、特別な仕事の依頼のようだ。 「高城さんからの依頼ですか?」 「さすが勘がいいね」 「だって凪さんが面倒臭い仕事って言う時は、いつだって高城さんからの仕事じゃないですか。まあ私はそれで食事にありつけるんだから良いですけど」 事務所に着くと、コートを着て震えながら高城さんが玄関の前で座っていた。 このビルは凪さん持ちビルで、凪さんの事務所しか無い。事務所の看板も無い。従業員も私しか居無い。無い無い尽くしだ。 外から見れば、地上6階建ての古い小さな空きビルのようにしか見えない。 だからは、依頼はもっぱらネット経由である事が多い。 「ちょっと、玄関開けといてよ! 真冬の寒い中、10分も待っちゃったじゃない!」 高城さんは立ち上がるとすごい剣幕で凪さんに詰め寄った。 「鍵開けといたら不用心じゃねーか。10分くらいなんだよ。分厚い皮下脂肪が有るだろう」 「ならヤッちんに留守番して貰えば良いでしょ!」 「こんな物騒な世の中、ヤッちんみたいな美少女を1人留守番させて置けるか。お前みたいなババアじゃねーんだから」 「アタシはまだ20代です! ああ、ロリコンには圏外ですもんねえ」 「良いから入れよ。事務所の前で営業妨害かよまったく」
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